鉄道の除雪/土木編 氷の世界で戦う

新潟新幹線工事所 小谷松正和

新幹線高架橋下の除雪

正確には、雪ではなく氷。だから、道具はスコップやスノーダンプではなく、ハンマー。土木が担当する除雪とは、新幹線や在来線の高架橋下の氷柱落としです。冬季には雪や雨などによって高架橋を滴る水の量が増え、それが高架橋下で凍結して巨大な氷柱を作ります。一抱えもあるような、まさに氷の柱です。また、橋脚に吹き付けた雪が分厚い氷の層になったものも落とします。厚さ20センチ、高さ7メートルの氷の壁は、完全に叩き落すのに1時間かかることもあります。
監督者と作業員2名、交通整理担当2名の5人を1班として、2017年12月20日から2018年3月4日まで、最初は5班体制で、1月の大雪以降は8班体制で巡回し除雪。朝4時から日没まで2交代制で続けました。それだけの頻度が必要なのには理由があります。

1時間で巨大化する氷柱

実はこの氷柱、すぐにできてしまうんです。大雪になれば高架橋を滴る水の量が増え、低温や強風は凍るスピードを助長し、1時間で巨大化。落としても落としても、エンドレスというかデジャブというか、次々と現れてくるという印象です。
でも、落とさなくてはなりません。氷柱も雪の壁も巨大ですから、落ちたりはがれたりすれば、人にけがを負わせるかもしれませんし、実際に車が破損した例もあります。道路上に落ちれば、交通渋滞も引き起こします。列車に乗る人だけでなく、列車が走る地域の人の安全や便利な暮らしを守るのが、私たちの責任。気づかれにくい仕事ですが、必要な仕事です。

コンクリート補修への挑戦

除雪が終わっても、高架橋の点検と補修は続きます。365日休みなく。コンクリート構造物は約50年で寿命を迎えますが、今は、新たに造るのではなく、補修による長寿命化がメインです。劣化原因の究明、補修方法の選択、さらには補修の新素材や新工法など、JRさんと協力しながら、挑戦していきたいです。また、補修技術の開発に併せて、橋脚にヒーターを配備する、凍らないような表面加工をするなど、氷柱や氷の壁の発生を防止する技術開発も。インフラを守り、この街を守っていきたいです。