鉄道の除雪/線路編 緊張感をコントロール

新津事務所 高橋正俊

自分史上最も忙しかった冬

2017年から18年にかけての冬は、異例づくし。除雪対応期間の12月から3月初旬までで、これほどの出動回数は記憶にありません。降雪回数、積雪量、低温による雪質の変化に悩まされました。けれど、気象がどうであれ、スケジュール通りに安全に列車を走らせる。特に、始発列車は何としても。それが私たちの仕事です。JR担当者と連携を取り、列車ダイヤから逆算して出動。効率の良い作業ルートを定めて除雪に当たりました。作業は始発までの数時間、夜間が中心です。

大型除雪車両で出動

使用する大型除雪車両はモータカーロータリー(以下、MCR)。普段は工事材料を運搬する軌道モータカーに、除雪装置を取り付けて、線路内を走らせます。ひとつは、ブレードを装着して雪をかき分け、左右に押し出していくラッセル車仕様。これは初期除雪に効果を発揮します。が、線路の脇に雪をためるスペースがなくなると、もう一つの線路外に投雪ができるロータリー仕様の出番です。MCRの前後にそれぞれを装着し、状況に応じて使い分けています。
除雪装置の自動制御システムが導入されていますが、踏切や切り替えポイントなどの線路上の設備を損傷させることなくMCRを走らせるには、注意力や経験が必要です。特に、今回のような豪雪はすべてを飲み込んでしまうので、駅のホームの位置すら目視できない状況もあり、限られた時間のなかで安全に除雪することは非常に大変でした。さらに粉雪が舞い上がってホワイトアウト状態になると、緊張感はさらに高まりました。

危険を見逃さず仲間と共有

厳しい作業環境のなかでも危険だと感じ、緊張感が高まったとき、一番大切なのは「まず声に出す」こと。除雪車を走らせなければ、列車が通れないけれど、作業により線路設備を損傷させたり、除雪車が故障し、線路上で立ち往生したら、さらに事態は深刻になります。だから、危険を感じたらまず声に出す、仲間に伝える、そして、すぐに止まる。決して小さなことでも見逃さず察知する。安全を最優先に仕事をしている人は皆、同じように考えていると思います。
私たちが除雪しなければ列車が走らないという使命感と、危険を見逃さない緊張感。その中で、日々仕事と向き合っています。それでも、私たちが白銀の世界に通した線路は、多くの人の生活を支えると知っているから、やりがいがあります。この冬を乗り切って、鉄道の安全を守るという実感がさらに大きくなりました。